文・竹淳 え・千葉あきお
★すぐにおこるけど,みんなが大すきなポテンコ先生!! さあ,今月は,どんなお話でしょう?
金よう日の帰りがけ,星先生がいった。
「あしたの土よう日は,ぼくは休む。月よう日からはちゃんとくる。」
「おっ,いいぞ。自しゅうだ。」
「ポテンコめ,先生がいなくても,きちんと勉強するんだ。」
土よう日の朝,みんなはりきって学校へきた。先生はいないし,しゅくだいも出ないもの。
一郎が教室へかけこんできた。
「おい,大ニュースだ。六年生がいってたけど,星先生は,きょう,けっこん式だって。」
みんなとびあがった。
「へえ,およめさんになる人がいたのかい。」
「そういえば,動物園にゴリラがきたっていうから,それがおよめさんだろ。」
みんな,ゲラゲラアハハハ。
ユリが立って話した。
「ほら,星先生がかぜをひいたとき,かわりにきた女の先生よ。先生のおかあさんがいっていたじゃない。」
「ふうん,星先生にはもったいないような,きれいな人だったぞ。」
「ようし,学校がおわったら,見に行こうよ。」
「そうしよう。そうしよう。ひやかしてやろうぜ。」
「星先生,どんな顔してるかしらね。」
みんな,ワイワイいいながらけっこん式場へ行った。
モーニングをきてすましていた星先生は,びっくりした。
「お,おい。こなくていいよ。」
ユリが口をとがらした。
「わたしたちにだまっているなんて,いやね。」
「そうだ,そうだ。」
先生はまっかになって頭をかいた。
「先生,先生の顔,なんだかへんよ。」
「えっ,なにかついてるかい。」
「ううん,どうしてかな。あ,わかった。ひげをそったのね。」
「オホン,すこしは,ハンサムに見えるだろ。ユリ。」
「キャハハ。ひげのない先生なんて,ちっともすてきじゃないわよ。」
そこへ花よめさんがでてきた。
「わあ,きれい。やっぱりこのあいだの人ね。」
「まあ,みなさん,おいわいにきてくださったの。」
「はあい。おめでとうございまあす。」
星先生が,あわてて,
「おい,もう帰ってくれよ。これから式がはじまるんだ。」
「ウフフ。先生,式のときあがっちゃだめよ。おちついてね。」
「ポテンコなんていっちゃだめだぜ,先生。」
ユリと一郎が,かわるがわるいった。
星先生は,
「うるさい,ませた子どもたちだ。さあ,帰って帰って。」
「ああら,わたしたち,式がおわったあとのひろうえん に出るつもりよ。」
ユリがそういうと,およめさんが,
「どうぞどうぞ。みなさんがいたほうがにぎやかでいいわ。」
「ほんとにいいの,星先生。」
「いいわよ。ねえ,あなた。」
「ワハア,あなた だってさ。イヒヒヒ,ウフフフ。」
みんなでひやかしたので,星先生もおよめさんも,まっかっか。
やがてひろうえんになった。
おきゃくさんたちが,かわりばんこに立って,星先生とおよめさんをほめた。
ユリたちは,先生のためにうたをうたってあげることにした。
「では,ごけっこんをおいわいして,みんなでうたをうたいます。さあ,一・二・三!」
あいしちゃったのよ
ララララ
あいしちゃったのよ
………………………
おきゃくさんたちは,ぽかあんと口をあけた。
先生もおよめさんもこまった顔。ませた生とたちだと思っているんだね。きっと。
(小三・10月号につづく)★ゆかいなポテンコ先生とユリたちのお話をつづけて10月号で読もう!!