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ポテンコ先生 6

文・竹淳 え・千葉あきお


 ★すぐにおこるけど,みんなが大すきなポテンコ先生!! さあ,今月は,どんなお話でしょう?

 金よう日の帰りがけ,星先生がいった。
 「あしたの土よう日は,ぼくは休む。月よう日からはちゃんとくる。」
 「おっ,いいぞ。自しゅうだ。」
 「ポテンコめ,先生がいなくても,きちんと勉強するんだ。」
 土よう日の朝,みんなはりきって学校へきた。先生はいないし,しゅくだいも出ないもの。
 一郎が教室へかけこんできた。
 「おい,大ニュースだ。六年生がいってたけど,星先生は,きょう,けっこん式だって。」
 みんなとびあがった。
 「へえ,およめさんになる人がいたのかい。」
 「そういえば,動物園にゴリラがきたっていうから,それがおよめさんだろ。」
 みんな,ゲラゲラアハハハ。
 ユリが立って話した。
 「ほら,星先生がかぜをひいたとき,かわりにきた女の先生よ。先生のおかあさんがいっていたじゃない。」
 「ふうん,星先生にはもったいないような,きれいな人だったぞ。」
 「ようし,学校がおわったら,見に行こうよ。」
 「そうしよう。そうしよう。ひやかしてやろうぜ。」
 「星先生,どんな顔してるかしらね。」
 みんな,ワイワイいいながらけっこん式場へ行った。
 モーニングをきてすましていた星先生は,びっくりした。
 「お,おい。こなくていいよ。」
 ユリが口をとがらした。
 「わたしたちにだまっているなんて,いやね。」
 「そうだ,そうだ。」
 先生はまっかになって頭をかいた。
 「先生,先生の顔,なんだかへんよ。」
 「えっ,なにかついてるかい。」
 「ううん,どうしてかな。あ,わかった。ひげをそったのね。」
 「オホン,すこしは,ハンサムに見えるだろ。ユリ。」
 「キャハハ。ひげのない先生なんて,ちっともすてきじゃないわよ。」
 そこへ花よめさんがでてきた。
 「わあ,きれい。やっぱりこのあいだの人ね。」
 「まあ,みなさん,おいわいにきてくださったの。」
 「はあい。おめでとうございまあす。」
 星先生が,あわてて,
 「おい,もう帰ってくれよ。これから式がはじまるんだ。」
 「ウフフ。先生,式のときあがっちゃだめよ。おちついてね。」
 「ポテンコなんていっちゃだめだぜ,先生。」
 ユリと一郎が,かわるがわるいった。
 星先生は,
 「うるさい,ませた子どもたちだ。さあ,帰って帰って。」
 「ああら,わたしたち,式がおわったあとのひろうえん(、、、、、)に出るつもりよ。」
 ユリがそういうと,およめさんが,
 「どうぞどうぞ。みなさんがいたほうがにぎやかでいいわ。」
 「ほんとにいいの,星先生。」
 「いいわよ。ねえ,あなた。」
 「ワハア,あなた(、、、)だってさ。イヒヒヒ,ウフフフ。」
 みんなでひやかしたので,星先生もおよめさんも,まっかっか。
 やがてひろうえんになった。
 おきゃくさんたちが,かわりばんこに立って,星先生とおよめさんをほめた。
 ユリたちは,先生のためにうたをうたってあげることにした。
 「では,ごけっこんをおいわいして,みんなでうたをうたいます。さあ,一・二・三!」
 あいしちゃったのよ
 ララララ
 あいしちゃったのよ
 ………………………
 おきゃくさんたちは,ぽかあんと口をあけた。
 先生もおよめさんもこまった顔。ませた生とたちだと思っているんだね。きっと。
 (小三・10月号につづく)

 ★ゆかいなポテンコ先生とユリたちのお話をつづけて10月号で読もう!!



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