キャプテン
月刊コミック特盛

キャプテン 丸井編③

―泥まみれの決戦の章―


月刊コミック特盛2003年 3月号

発行日:2003年 3月 1日
出版社:ホーム社

作品タイトル 掲載誌 コミックス JCS 愛蔵版 文庫版
第25話 決戦 墨谷対青葉の巻 別冊少年ジャンプ1974年 1月号 JC第8巻 JCS
第5巻
愛蔵版
第5巻
文庫版
第5巻
第26話 泥まみれの熱戦の巻 別冊少年ジャンプ1974年 2月号
第27話 九回の攻防の巻
第28話 気力のシーソーゲームの巻 別冊少年ジャンプ1974年 3月号 JC第9巻
第29話 死闘! 十八回の巻 別冊少年ジャンプ1974年 4月号
第30話 サヨナラホーマーの巻


キャプテンの風景C担当編集者が語る制作秘話

ライバル像に見る作家の視座

 最大のライバル校となる、青葉学院という名称だが、ちばさんは最初、下町の学校、墨谷二中に対して、山の手の学校として、青葉学院中等部という名称を考えた。だが当時漫画で、青葉学園という名称が多かったので担当編集者は気に入らず、自分の出身校である青山学院をもじり、青葉学院とした。ちばさんは了解したが、彼は青葉学園という名前が頭から離れず、応援団の旗などに、青葉学園と描き、担当者はその都度、修正していた。
 ところで、ちばさんは、主人公に対してのライバルというか、対比する人物を描くのが上手かった。例えば青葉学院の佐野であり、絶筆となったボクシング漫画「チャンプ」の桜庭であり、これ以外の作品にも多々いる。そういえば、ちばさんは、一枚の画用紙に、物語に使う使わないは別にして、いろんな人物―チームの人物だけでなく、いろんな職業の老若男女―を、三十人くらい描いてあったのを思い出す。
 ちばさんが描くキャラクター像としては、「谷口」の存在は珍しい。彼が描くキャラクターは、例えば、下手だけど野球好きな少年であれば、下手なりの野球好きのまま、いかに野球が楽しいかということをテーマに、ドラマを構築することが多かった。谷口のように努力して成長していくというキャラクター、あるいは筋立てはなかったように思う。
 「キャプテン」を例にとるなら、丸井は谷口の信奉者で、根は善良なのだが威張る。イガラシは野球が上手くて非情。近藤はわが道を行くという具合で、みんな谷口のように、真面目な努力型のキャラクターではない。これはおそらく、当時の担当編集者が、酔っ払いの情けない人物で、ちばさんには初めて見るタイプの人間だったので、反面教師的に創造したのではないか。


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