―激突 江田川中の章―
![]() | 発行日:2003年 7月 1日 |
キャプテンの風景G担当編集者が語る制作秘話
ちば流キャラクター製造法 墨谷二中のキャプテンを終え、高校に入ってからも、丸井が良く出てくる。ちばさんは丸井が好きだったのだろうか。オッチョコチョイで、お人好しで、世話好きな性格、それまでのちばさんの作品には、あまり見られないキャラクターである。
往々にして漫画家は、担当編集者はもとより、まわりの人を作品のモデルにすることがある。もちろん、その人たちをそのままに性格づけするのではなく、他の人の性格も吟味してキャラクターは作られる。
最初、谷口は担当編集者をモデルとした感もあるが、漫画での谷口のほうが担当編集者より、人間として成長し、オッチョコチョイな行動に出られなくなった。(もっとも、墨高野球部で卒業生を送る会だったかで、父親に教えてもらった裸踊りを披露するシーンがあったが、読者の反応は良くなかったように記憶する)
とまれ、谷口は墨高野球部で活躍を嘱望され、練習練習の日々で、丸井のように、墨谷二中には顔を見せられなかったのだろう。当初、担当編集者が谷口のモデルと思われたが、漫画の谷口の成長についていけず、そのオッチョコチョイな性格とあいまって、丸井のほうに移っていったようだ。そして、試合の合間の味付けとして、描きやすい丸井の出番が多くなったのだろう。
ところで、当時の担当編集者は野球を知らなかったし、野球どころかスポーツ全般に無知だった。編集者から、少年誌の編集者が野球を知らなくてどうするんだ! と怒鳴られ、スポーツ紙を買い、TVで実況を観るのだが、もともと興味のない人間に、長続きするわけがない。よくそれで『キャプテン』の担当が出来たものだ。ただ、ちばさんとの打ち合わせは、野球を知らない分、登場人物の性格づけだけは、カンカンガクガクやったらしい。
いい気なものだ。
生き返ってこい、あきお!一緒にお酒を飲もう。