―炎天下の激闘の章―
![]() | 発行日:2003年10月 1日 |
キャプテンの風景J担当編集者が語る制作秘話
『キャプテン』講演旅行 もう遠い昔のことで、記憶があいまいだが、熊本(だったと思う)から、ホンダの製品(バイクだったか、自動車だったか)を運送する会社の社長さんが、突然編集部に来られた。がっしりした体つきの精悍な人だったと記憶する。
「私、『キャプテン』のファンなんです。主人公のあのひたむきさ、誠実さ、そしてナインをひっぱっていく魅力、すべて感動しました。ついては、ウチの会社の創立記念日に、ちば先生に講演をお願いできないものか」と来意を告げられた。あまりに突然のことで、ちばさんと相談して、後日連絡するということになった。
「実はさ、講演頼まれたの、熊本にある会社の社長さんから」
「講演って何話せばいいの?」
「ま、『キャプテン』を描く動機だとかさ、なぜあのような主人公にしたとかさ、宣伝にもなることだし…」
「Tさんはついていくだけだからラクだけどさ…」
ちばさんはテレビ出演とか、講演が苦手でお断りすることが多かったが、すったもんだの末、この熊本行きは決定した。大勢の社員の方に迎えられ、無茶苦茶恥ずかしかったが、三十分くらいの講演もソツなくこなし、というか、講演というほどのものでもなかったように思う。と書くと、ちばさんは墓場で「お前さんがムリヤリ連れ出したくせに…」と怒るよな多分。ともかく、ちば先生と身近に話し合えて、社員の方は満足していただけたのではないかと勝手に思っている。
その会社の創立記念日は、面白いイベントや、出店の店があり、特に笑ったのは、ご当地では加藤清正にちなんでのお祭りがあるらしいが、その時に踊る盆踊りの類のものか、社員の方が踊ってくれたが、あれは傑作だった。
それはともかく、ちばさんの訪問が、社長さんの意図する社員教育になったのかどうかは不明だが、ちばさんと担当編集者は二日間の熊本旅行を、十分に楽しんだのでした。ずっと昔のちばさんとの思い出です。