キャプテン
月刊コミック特盛

キャプテン イガラシ編⑨

―㊙作戦の章―


月刊コミック特盛2003年12月号

発行日:2003年12月 1日
出版社:ホーム社

作品タイトル 掲載誌 コミックス JCS 愛蔵版 文庫版
第58話 必勝㊙作戦の巻 月刊少年ジャンプ1976年11月号 JC第18巻 JCS
第11巻
愛蔵版
第11巻
文庫版
第11巻
第59話 準決勝突入の巻 月刊少年ジャンプ1976年12月号 JC第19巻
第60話 守りをかためろの巻 月刊少年ジャンプ1977年 1月号
第61話 乱闘のはてにの巻 月刊少年ジャンプ1977年 2月号


キャプテンの風景K担当編集者が語る制作秘話

担当はおいてけぼり

 ちばさんは、スポーツが好きだった。水泳、野球、スキー、ボーリング、ゴルフとなんでもこいで、すべてに上手かった。僕がつきあったのは、スキーとゴルフ。スキーは二度ほど行ったか。その一度目、アシスタントやお手伝いさんと一緒だった。
「谷口さん、スキーは初めて?」と、ちばさん。
「いや、去年会社の友人と…」
「じゃあ少しは滑れるのね。お手伝いさんに教えてやってよ」
 しまった。経験があるなんていわなけりゃよかった。会社の友人というのがヒドイヤツで、スキー初めての人間を山のてっぺんに連れてきて、本人は滑り降りて、下の方から早く滑ってこいと叫ぶ。板を平行に合わせるとスルッと滑る。これはどうしたものか。このまま滑っていって人とぶつからないか。ゲレンデから人がいなくなるのを待つ。当然ながらリフトはグルグル回り、次から次へと人はたえない。
 腰をおろしたまま小一時間どうしたものかと逡巡する。リフトで何度も回っているスキーヤーが「あの人あんな所に座って何してんだろう?」なんて目付きで、滑っていくように感じる。僕は焦る。焦るがおもむろにタバコに火を着け上手そうに吸う。味などない。―というアリサマだったのだ。
 さて、ちばさんたちとのスキー当日。一度はヨロヨロと滑ったが、昨年の経験がトラウマになって恐怖感が先立ってスキーにならぬ。初めて滑るお手伝いさんの方が、僕なんかより上手く滑り、楽しそうに騒いでいる。僕は板をはずし、白樺の林に一人佇むが、誰も振り向いてくれない。仕方なくロッジに戻り、酒を飲む。ちばさんがヒョコッと顔を出し、「何、もう疲れたの? 歳だなァ。 俺、もうひと滑りしてくるよ」
 畜生! 誰も俺を構ってくれない。スキーなんて金輪際やるものか!! と思って以来、その思いだけが現在も続いている。
(モウちゃん またひとつおせっかいやきにきたぞ…という一言が欲しかったのに…。)


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