キャプテン
月刊コミック特盛

プレイボール総集編 強豪への道編②

― ねらわれる半田! ―


月刊コミック特盛2005年12月号

発行日:2005年12月 1日
出版社:ホーム社

作品タイトル 掲載誌(週刊少年ジャンプ) コミックス 愛蔵版 文庫版
第120話 ねらわれる半田!の巻 1977年38号・39号(9月19日号・26日号) JC第20巻 愛蔵版第10巻 文庫版第10巻
第121話 勉強と勉強の間で!の巻 1977年46号(11月14日号)
第122話 勉強の特訓は苦手の巻 1977年47号・48号(11月21日号・28日号) JC第21巻 愛蔵版第11巻 文庫版第11巻
第123話 スカウト 田所の巻 1977年49号・50号(12月5日号・12日号)
第124話 たのもしい新入部員の巻 1978年20号( 5月15日号)


アニメ大人気御礼!!特別インタビュー第2弾

河野裕さん(田所役)

―『プレイボール』という作品について、どう思われましたか?
 漫画は、描かれた時代の雰囲気が大きく反映されると思うんです。今の漫画は線が細く、絵を美しく描く傾向があると思うんですが、『プレイボール』では、作者の伝えたいことが、絵よりも内容から伝わってくる感じがしました。

―田所というキャラクターの印象は?
 一番最初の印象は、キャプテンらしいキャプテンだなという感じです。いわゆる「かっこいいキャプテン」ではなく、親分肌な感じ。今では、どうしようもないぐらい田所の魅力の虜になっています。大らかで恰幅も良い。憧れというか、愛すべき人間ですよね。

―田所を演じてみていかがでしたか?
 田所と自分では、ほとんど似ている部分がないので、自分の素が出ないように気をつけていました。そういう自分自身とギャップのある役を演じたことがなかったので、すごくやり甲斐がありましたね。それと、田所のキメ台詞っていうのが僕の中であるんです。それは「ツーアウト!ガッチリいこうぜ!!」っていう台詞です。その一言を発すると気合いが入りますし、周りも声をそろえて「オウッ!」って応える。その一体感がたまらないですね。

―そんな田所から見た谷口は、どういう印象でしたか?
 好きなものに向かう姿が、すごく純粋なんだと思います。それが周りの人にも影響を与えるんでしょうね。そこのところで少し大人になったのが、田所だと思うんです。野球以外にも、進路など他のことも考えている。でも、基本的に二人は似た者同士なんだと思います。田所も学校に通いながら、実家の電気屋を継ぐための勉強をしたり、見えないところで結構努力してるんでしょうね。そういうやるべきことをやる部分は、似ていると思います。

―田所も、谷口が入ってくることで成長していきますよね。
 そうですね。成長というか、本来自分の中にあったものが目覚めた、というとらえ方をしています。高校三年生ということもあり、将来のことも考えなきゃいけない。谷口のようにがむしゃらになれない部分があって。それでも谷口の野球に打ち込む姿を見ているうちに、野球が好きという気持ちが、フツフツと湧いてきたんだと思います。

―一番好きなシーンはというと、どこでしょうか?
 アニメでいうと第5話になるんですが、ボールが投げられない谷口を、全員でフォローする場面です。谷口が代打で出て、そのあとライトに入ったんですが、まだバウンド送球を覚える前なので返球ができないんです。そこを相手チームに狙われるんですが、谷口は全部ノーバウンドで取ろうと全力で突っ込む。その姿を見て、「一年生のくせに生意気だ」っていう雰囲気だったチームメイトたちも、だんだん協力するようになるんです。「つぎボールが来たら俺に渡せ」とか、みんなが一丸となって谷口をサポートし始めるあのシーンは、演じながら泣きそうになりました。僕があのナインの中にいたら、泣きながらプレイしていましたね(笑)。

―現場の雰囲気はいかがでしたか?
 やっぱり現場でもキャプテンと呼ばれていました(笑)。キャストのみなさんとも、ほとんど同じラインに立っているという感じで、気兼ねなく男子校のような雰囲気でした。ホントはアフレコの最終日に、みんなでスクラム組みたかったんですけど(笑)。それがちょっと心残りですね。

―作品を通じて、伝えたいことは何でしょう?
 僕が思うのは努力とか根性、それと好きなもののために一生懸命になることの大切さだと思います。ひとつのことをやりとげることで、結果的に勝利につながったり、人を動かすほどの影響力を持つようになると思うんです。努力・根性・ひたむきな姿勢っていう熱いメッセージを、この作品から感じてもらいたいですね。



河野裕(こうのゆたか)プロフィール
生年月日 9月13日 出身地 千葉県 主な出演作品「しましまとらのしまじろう」「おくさまは女子高生」

元・大阪近鉄バファローズ監督

梨田昌孝さん(タイヤキ屋のおやじ役)

―アニメのアフレコに挑戦した感想は?
 野球を側面から見る、いちファンという立場でやりたかったので、タイヤキ屋のおやじを選んだんですが、やっぱり難しかったですね。間の取り方とか、声だけで雰囲気を伝えることに苦労しました。

―出来上がった作品を見てどう思われました?
 アニメのキャラクターが、僕の特徴をよくつかんでいたので、役に入りやすかったです。夢をあきらめないとか、勝利にこだわるとか、自分の原点を感じていい勉強になりました。ぜひプロ野球選手にも見てもらいたいですね。

―「声優・梨田」としての、今後の展望は?
 色々と考えてはいますが、野球アニメに関しては『プレイボール』しか出演しません(笑)。なのでぜひ次の機会がありましたら、よろしくお願いします。

―『プレイボール』ファンの方々にメッセージをお願いします。
 最後まであきらめないとか、努力や根性。古臭いかもしれないけど一番大切なことが、この『プレイボール』にはたくさん詰まっていると思います。野球少年から、僕ぐらいの年齢の大人にも見てもらって「よし。明日から頑張ろう」と思ってもらいたいです。



梨田昌孝(なしだまさたか)プロフィール
昭和28年8月4日生まれ。昭和47年に近鉄バファローズに入団し、名捕手として活躍。平成12年には監督就任し、リーグ優勝も経験する。現在、野球評論家として活躍中。

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