おケイとゆかいな四人組、涙と笑いでつづるグループサウンズのお話よ―というのが雑誌掲載時のコピーである。ケイの兄は「セイジ岡田とブルーソックス」というバンドをつくりジャズ喫茶のステージに立っている。かけだしのバンドはギャラも安く、夜おそくまで演奏している。ケイはそんな四人の食事から、道具運びまで、明るくこまめに手伝っている。ケイの14歳の誕生日、真夜中の公園で、ケーキと一緒に、兄がケイのために作曲したという「マイ・オケイ」の曲をプレゼントされる。そんな幸せも束の間、ピアノの中村君が病気になり、ピアノ抜きの演奏に客もへり、店の支配人から出演を断られてしまう。傷心のケイは、一人ガラーンとしたステージで、「マイ・オケイ」をピアノでひく。そんなケイのピアノにレッスンしてくれる男がいた。代わりにくるバンドのマネージャーだった。そしてピアノはケイでだいじょうぶといってくれる。善意ある人々の応援で、バンドはつづけてステージに立てることになった。
「なかよし」(講談社)1968年(昭和43年)4月号に掲載
発 行 日 | 作 品 タ イ ト ル | 発行社 | 備考 |
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1995年 7月24日 | 『ちばあきお名作集 短編集3「気になるあの子」』 | ホーム社 | JCS |