大きな家と小さな家どっちがいい? 掃除するには小さな家、住むには大きな家、そう答える。ところがこの作品、住むんだって小さな家がいい! というお話。サチコは、梅原一郎という立派な名まえなのにあんまり売れない絵描きのお兄ちゃんといたずら好きの小学生まことと三人で暮らしている。家計はきびしい。まことが拾ってきた犬の食費のために、好きなコロッケも食べられないほどだ。そんなある日、お兄ちゃんが、世界的なビエンナーレ展に入賞し、大きな家に住むことになってしまう。新しい家ではペットを飼ってはいけないというので犬のノラ公と別れさせられた弟は、しゅんとしてしまうし、なれないベッドから何度も落ちてコブだらけ。お兄ちゃんも大きなアトリエでは気が落ちつかず作品のしめきりがきても描けない。サチコも掃除がたいへん。ということで、三人は前の家に帰ってくる。やっぱり居心地は満点。狭いながらも楽しい我が家である。
「りぼんコミック」(集英社)1969年(昭和44年)7月号掲載
| 発 行 日 | 作 品 タ イ ト ル | 発行社 | 備考 |
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| 1995年 7月24日 | 『ちばあきお名作集 短編集3「気になるあの子」』 | ホーム社 | JCS |