初めて女の子を好きになった男の子タケはどうしていいかわからず、父親に相談する。だが、若い頃女性にもてたことのない父親。息子の手前、わかったような顔をして、″たとえば、四畳半でさしむかい……″などと、とんだ知恵を出す。心配になった父親、隠れて息子のガールフレンドを見ると、なんともかわいい女の子で、しかもふたご。ところがタケは、ふたごの強烈なアタックにへとへと。今度は、別れ方を教えてくれと父親にいう。別れ方も知らない父親、面子を保つためにこう教える。″ほっぺたでもはってだな、プイと横でも向いてやりゃあ、あきらめるさ。″これを実行したタケ、かえって男らしい…と、ますますもててしまう。そうか女の子の気持ちってそういうものなのかと思った父親、自分の女房にやってみると、絵にも描けない残酷シーン(実際に絵のないコマ)。最初からほほをゆるめっぱなしで読める江戸前落語的な楽しい作品。
「デラックス少年サンデー」(小学館)1970年(昭和45年)7月号掲載
| 発 行 日 | 作 品 タ イ ト ル | 発行社 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1979年 4月15日 | 『半ちゃん』 | 創美社 | JSC |
| 1984年11月 9日 | ちばあきお傑作集『校舎うらのイレブン』 | 集英社 | JCDX |
| 1995年 6月24日 | 『ちばあきお名作集 短編集2「磯ガラス」』 | ホーム社 | JCS |
| 2008年 6月30日 | 『校舎うらのイレブン』 | 朝日新聞出版 | 昭和の名作マンガ |