校舎うらのイレブン

　杉本先生は、おじの校長に頼まれて隅谷中に新任してきた。この学校のサッカー部は、ほかの部からのひきとり手がないおちこぼればかりで、サッカー部といっても、練習は校舎うらの狭い所。杉本先生は、そんなサッカー部を一人前にして地区大会に出そうとする。ところが野球部をはじめ運動部の連中が「みっともないから大会出場はやめてくれ」と猛反対してきた。カーッときた杉本先生″絶対勝ってみせる″と約束してしまう。地区大会、相手は前回の優勝校の金成。 杉本先生の特訓の成果で力もついた隅谷中イレブンだが、大会の雰囲気にのまれ前半は11対０、だが後半ようやく試合にもなれ、大反撃にうつる。倒れても倒されてもゴールをめざす執念を見せた。だが結果は１点差負け。がっくりする杉本先生とイレブン。だが、傷だらけで倒れ、立つ元気もないイレブンを助け起こしたのは、野球部をはじめとする運動部の連中だった。イレブンのすさまじいスピリッツに感激したのだった。

「別冊少年ジャンプ」(集英社)1971年(昭和46年)2月号掲載