体の大きいモウちゃんのお話の第二弾。運動会で徒競走をやることになった。しかしモウちゃんは半端でないドン足。一周おくれはみっともない。せめて半周おくれぐらいにしようと、人目をさけて体育館うらの空地で特訓を始めた。そんなモウちゃんの特訓のことを、広瀬くんは学校新聞でみんなにおしえてしまう。特訓をかくれてやるより、堂々としやすくなるようにしてあげたのだ。そして走り方の本まで貸してあげる。運動会の日、練習の成果は充分、半周おくれどころか、モウちゃんは、みんなと一緒に最後の直線まできた。広瀬くんの声がかかる。「モウちゃん、ラストスパートだ!」ふつうは、ここでモウちゃんが優勝し、ハッピーエンドになるのが少年漫画のセオリーだ。でも、ちばあきおは描かない。現実はそんなに甘くないんだぞという厳しさと、努力はしても結果がでない時の読者へのやさしい思いやりである。
「週刊少年ジャンプ」(集英社)1977年(昭和52年)19号に掲載
| 発 行 日 | 作 品 タ イ ト ル | 発行社 | 備考 |
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| 1995年 5月24日 | 『ちばあきお名作集 短編集1「モウちゃんは強かった」』 | ホーム社 | JCS |
久しぶりの読切のできばえはどうですか? 時間があれば、もっとかきたいな。(ちばあきお)