キャプテン

磯ガラス

磯ガラス  少年というものは仲間に対していつもファイティングポーズをとっている。仲間だからこそ負けたくないという純なプライドのためである。この作品は群をなすカラスのように、色が黒く九人いっしょにいることから磯ガラスとよばれた釣りの小天狗たちの釣り場の席順には決まりがある。中央の席が一等席で端の方にいくにしたがって腕が下である。三日つづけて上席者より多く釣れば席順が上がる。

 ある日ヨシはクエを見つける。クエは大物釣りの対象となる魚で、大人でさえ一人ではたいへんな大物だ。これを釣り上げれば中央の一等席は間違いない。ヨシは一人で挑戦しクエを鉤にかけるが危険な目にあう。仲間たちが駆けつけようやく釣り上げる。次の日ヨシは中央の一等席に…だがやはり三日で終わった。仲間はやさしい、でも掟(決まり)は掟である。少年たちは今日も、ファイティングポーズをとっている。

「週刊少年サンデー」(小学館)1977年(昭和52年)24号に掲載


収録コミックス
発 行 日作 品 タ イ ト ル発行社備考
1980年 6月15日『キャプテン  ―近藤主将大絶叫の巻―』第26巻 集英社JC
1995年 6月24日『ちばあきお名作集 短編集2「磯ガラス」』 ホーム社JCS

 この作品はキャプテンの単行本最終巻(第26巻)に載りましたので知っている方も多いと思います。でも少年サンデーという別会社の作品が集英社の単行本に掲載されること自体なんか違和感が自分にはあるんですけど…まっいいか。(^^)
 なお備考のなかの記号は JC:ジャンプ・コミックス JCS:ジャンプ・コミックス・セレクション の略です。(Oz)
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