キャプテン フォーク歌手 あがた森魚さん
ジャンプ・コミックス

誌面ににじみ出るちば先生の″やさしさ″

フォーク歌手 あがた森魚

コミックス『キャプテン』第3巻

 ちばあきお先生の画風って、ぼくはとっても好きだなァ。どんな線でも定規を使わず、フリーハンドで描いてらっしゃるんだってね。そのせいか、どのページからも、ほのぼのとした暖かさと、ちば先生独特のペーソスがにじみ出てくるように感じる。
 とっても心のやさしいかたなんだね、ちば先生って。超人的な主人公が登場する野球漫画が多い中で、『キャプテン』だけは、どこにでもいる、野球が好きで好きでたまらない野球少年たちの本当の姿が、活き活きと描かれていると思う。謙虚で、そして、ひたむきな純真さにあふれる谷口くん……ぼくは、そんな少年が大好きだ。
 『赤色エレジー』(林静一さんの漫画)と『昭和柔侠伝』(バロン吉元さんの漫画)の歌をつくったのも、それぞれの主人公、一郎と勘太郎とにぼくなりに″やさしさ″を感じとったからなんだ。『キャプテン』は、このふたつとはまるでイメージがちがう漫画だけど、一郎や勘太郎と同じように谷口くんも″やさしさ″を持っている。
 無意識のうちに、第三者のことを思いやる心――おしきせではない、″やさしさ″を持ったキャプテン・谷口くん。お互いに信頼し合って、コツコツと努力をつみかさね、着実に目標に近づいていく墨谷二中ナイン。そして緊張した場面でフトこぼれ落ちるユーモア……『キャプテン』の魅力を数えあげると、キリがないなァ。
 でも谷口くんは、すごいテレ屋だね。実をいうと、ぼくもそうなんだ。いまでも舞台に出ると恥ずかしくって、つい下をむいちゃうんだ。いつも下駄ばきなんだけど、足が震えて下駄がコトコト音をたてたりしたこともあったっけ。けど、かっこいいだけが男じゃない!泥にまみれて、がんばらなくっちゃ、な!!


 ぼくは、野球以外にもいろいろ好きなスポーツがあります。たとえばアクアラングです。エアーボンベをしょって海にもぐると、だれも手をつけていない自然の姿を見ることができます。それは、口ではいえないとても美しい世界です。
 時どきグロテスクな姿で泳いでいるウツボにでっくわすことがあります。どうもあれだけは、いつ見ても好きにはなれません。でも、またいきたいなーっと!!(ちばあきお)
 あがた森魚さんは現在も音楽活動をなさっており、ちなみに私はあがた森魚さんが所属していたヴァージンVSの「さらば青春のハイウェイ」が大好きです。CDも持っています。(Oz)
キャプテンフォーラムへ
TOP PAGE