キャプテン チューリップ 安部俊幸さん
ジャンプ・コミックス

野球と音楽が共存するステージ!

チューリップ 安部俊幸
コミックス『キャプテン』第17巻

 ぼくは西鉄ライオンズの大ファンでした。黄金時代の素晴らしかった事。高倉、豊田、中西、大下、稲尾選手たちの活躍は、向かう所敵なし。憎き読売巨人軍(ローカルのヒガミか、弱者の逆恨みか)をこてんぱんにやっつけてくれました。
 溜飲下がるとは正にこの事。そのころからずっと野球が好きです。イガラシ君が肩で息をしているのを見ると、連投連投の稲尾選手を思いだす。だから、今でも数で一等好きなのは、稲尾選手の背番号24です。
 ぼくは職業音楽家になってから、おかしな夢をよく見るようになりました。それは、ぼくがステージに立つとぼくは突然野球選手に変身し、どこからか球が飛んでくる。それをぼくは必死になってギターで打とうとしているのです。このわけのわからない夢を、フロイト先生だったらどう説明してくださるのでしょう。
 考えてみれば、野球チームとグループサウンズ、似てなくもない。ピッチャーが投球モーションに入ると野手が身をかがめ、踵を浮かして捕球に備えるのと、カウントが出される時、リズムを合わせるために緊張するのは同じ事だろう。
 ブレイクの後のシンコペーションは、さしずめ、セットポジションのピッチャーの間合いを盗むランアンドヒットの様なものだろうか。自分の見せ場がくると、懸命に良いプレイをして後に引き継ぐ。
 野球はよく、リズムが肝心と言われるが、わかる気がします。
 ステージに立ってギターを肩にかける時、チューリップのメンバーの顔を見ると、イガラシ君がバッターボックスに入って、バットを構えたときの顔を思いだす。『あいつ燃えているな、よし!俺もいっちょう』という気になるのです。よい演奏ができた後は、ナインと(ぼくたちは五人であるが)喜びを分かちあう。
 一見淡たんとした、でもベリーナイスファイトのイガラシ君が大好きです。頑張れイガラシ君 頑張れライオンズ! そして、ちば先生頑張れ!!


 先日、後楽園球場を借りることができ、それを機にWB杯というのをつくりました。WB杯なんていうと、ワールド・ベースボール杯みたいでカッチョイイんですが、そうではなく、わがホワイターズ(W)と水島新司さん率いるボッツ(B)のことなんです。結果は11対7で辛うじて勝つことができました。ぼくはセンターを守ったのですが、後楽園球場は球足が速く、背中は広びろとして、さびしいんですよ。(ちばあきお)
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