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このマンガは、墨谷二中ナインのひとりひとりの個性が、じつに明確に面白く描かれていますね。ぼくたちも『シグナル』という、三人のチームを組んでいるわけで、趣味、嗜好、考え方や感じ方など、いろいろな意味で性格の異なる人間が、ひとつのチームを形成することの″むずかしさ″そして″すばらしさ″……この『キャプテン』を読んでいて、あらためて、わかる気がします。そのうえ、墨谷二中のナインは、″野球″というスポーツをとおして、つねに、相手と戦っているわけで、チームワークがよくなければ、試合などに勝てるはずがありません。強い相手にぶつかって、ボロボロになりながらも、ナインたちはたがいになにかを得て、勝利をつかんでいく……。チームワークというものが、なににもまして基本になっているということが、よく感じとれるマンガだと思います。
人間はひとりでは生きていけません。かならず、じぶんのまわりには、なん人かの人びとの″力″があります。ひょっとしたら、人びとは、生まれたその時すでに″日本″(あるいは地球)という名のチームの一員になっているのでしょう。そんな人びとに、かこまれて生きている今、『キャプテン』にでてくる近藤くんのような広い心を、みんなが持っていたら、すばらしい″地球チーム″になるのでしょうね。
著者のちばさんは、ぼくと同じ名まえ(あきお)なので、以前から、妙に親近感があるのです。ちばさんの絵は、ほのぼのしてて、あったかくて……、最近、こういうマンガを描ける人は少ないんじゃないですか?とにかく、これからも心あたたまる『キャプテン』にしていただきたいし、ぼくたちも、歌にたくして、がんばらねば……!と思っています。