キャプテン 追悼 ちばあきお先生

読者からのおたより

あきお先生 月刊少年ジャンプ特別編集 ちばあきお先生追悼号
◆神奈川県 池谷 桃代さん
◆青森県 大塚 英明さん
◆埼玉県 阿部 純子さん
◆岡山県 山上 泰幸さん

「月刊少年ジャンプ特別編集 ちばあきお先生追悼号 ちばあきお チャンプ」(昭和60年1月20日発行)に載せられた「読者からのおたより」のコーナーの言葉です。
 この追悼号の資料提供者は谷口希さまです。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。m(_ _)m (Oz)
わたしをはげましてくれたキャラクターたち

神奈川県 池谷 桃代

 ちばあきお先生へ

 初めまして…。9月17日の夕方、先生が亡くなられた事を、新聞でみて知り、思わず涙が出てきてとまりませんでした。今でも本当に信じられません。
 毎月「チャンプ」を読みながら、先生がどんな思いで、この作品を描いていらっしゃるのかと…。いつまでも続くと信じて「ジャンプ」の発売日を心待ちにしているのです。
 私は「キャプテン」「プレイボール」「ふしぎトーボくん」そして今度の「チャンプ」と、みんなすてきな作品ばかりだと思います。そしてまた、すばらしい心を持ったキャラクター達が、生き生きとしているのが、作品を読んでいて感じられました。先生の描くキャラクター達が、とても身近にいて、私をはげましてくれるのです。
 この「チャンプ」も、きっと今までよりもっと、よりよい作品にして下さると信じていました。毎月「ジャンプ」を買ったら、まっ先に「チャンプ」を読んだ私です。これからボクシングの世界で、チャンピオンへの道を歩んでいく太一の姿を、心待ちにしていたのに…。とても残念で、そして悲しくてしかたがありません。
 先生の、この「チャンプ」への思いは、どんなだったのでしょうか?
 太一がガンバル姿をみて、私もガンバラなくては…と自分をはげまし、そしてこれからの太一の成長を、とても楽しみにしていたんです。
 先生の作品に出会えて、私はとても幸せです。一度で良いから、先生にお会いしたかったです。

 PS.

 先生の告別式に出席したかった…。
 ちばあきお先生、さようなら。

家族そろってみんなファンだったのに

青森県 大塚 英明

 ちばあきお先生の、突然の訃報を新聞で知り、残念でなりません。「キャプテン」「プレイボール」からのファンで、家族一同おどろいています。いま連載中の「チャンプ」も応援していたのに…。先生のご冥福をお祈りいたします。


キャラクターたちといっしょに泣いたり笑ったりしてきたのに

埼玉県 阿部 純子

 前略 わたしは「キャプテン」「プレイボール」に出てくる谷口タカオ君のファンの、中一の女の子です。だから「プレイボール」全巻を集めたり、友達と野球の話をするようになりました。野球だって「キャプテン」をみるまでは、好きではありませんでした。それに動物のかわいさ、気持ち、感情などを、「ふしぎトーボくん」で学びました。
「好きなマンガ家は、ちばあきお先生」ってみんなにいいふらしていました。それなのにそれなのに、どうして死んでしまったのですか? 谷口君をはじめ、先生のすてきなキャラクター達が、いききと活躍するのがみられないなんて…。
 先生はたしか「キャプテン」で「――人間味があって――」と書いていられましたね。そうです。本、それもマンガだけど、キャラクターが、泣いたり笑ったりおこったりするのは、読んでる人間がそうするのと同じなんです。だから、谷口君の指がまがって、ボールが投げられないと、くやしくて泣いたり、足がガクガクしてなさけない太一君に「がんばれ」っていったり…。それなのに先生は、先生は…。
「プレイボール」だって、甲子園へ行って、谷口君が重い優勝旗をもって歩くのを想像して、いつかは書いてくださると思っていたのに…。それなのに…さびしくって、くやしくって、とっても残念です。
 あきお先生のファンは、みんな、ずっと書きつづけてくれることを祈っていたのに…。
「チャンプ」の太一君はどうなるんですか?先生がいないと…。
 わたしは、先生がペンをにぎれなくなっても、ファンでいようと思っていたのに…。
 あきお先生のばかあ。


ちばあきお自伝「がんばらなくっちゃ」を読んで

岡山県 山上 泰幸

 根性がないとマンガは書けないと思った。どんなにアイデアがうかばなくても、うまく書けなくても、ずっとがんばって、しめ切りまでに書かないといけないからだ。
 このマンガを読んで初めてわかった。ちばあきお先生もマンガを作るために、死にそうな顔になってまで書いた。しかしエンジニアになろうと思っていたのが、なんでマンガ家になったのだろうか、どうして、そんな苦しいことをやめようとしなかったのか。
 また、ひとつの作品ができて、またひとつ作ってくれないかといわれて「もうマンガなんか書かない」といっていたのに、どうしてマンガを書きつづけたのだろうか。
 ちばあきお先生は、ずっとマンガを書いてぼくたちに、夢と希望をもたせてくれた。ぼくたちに夢と希望をもたせるマンガ家は、りっぱだと思った。ぼくは、ちばあきお先生にひとこと「ありがとう」といいたい。しかしその先生は、今はどこをさがしてもいません。でも先生は、ぼくたちの心の中でずっと、ぼくたちをはげまし、勇気づけてくれることでしょう。
 先生の残してくれたマンガを、ぼくたちはいつまでもずっと大切にします。
 さようなら先生。

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