キャプテン ヤクルトスワローズ 酒井圭一さん
ジャンプ・コミックス

ストレートで勝負する投手に!!

ヤクルトスワローズ 酒井圭一
コミックス『プレイボール』第7巻

 ぼくは野球をやっているせいか、野球漫画はとくに興味をもってみていますけれど、『プレイボール』はいいですね。とくに甲子園をめざしている高校球児には、もってこいの楽しい漫画ですね。仲間みたいで…。ぼくも高校時代は、甲子園めざして一所懸命だったから、谷口くんのひたむきに努力する姿勢は、なにかとはげみになりました。
 高校時代の一番の思い出といえば、やはり甲子園での対徳島商戦(51年8月10日)ですね。延長十回、二対一で勝った試合ですが、甲子園初出場、そして初めて勝った試合だけにうれしかったです。体調はあまりいいとはいえなかったけれど、″稲佐の山の けだかき姿…″と、甲子園に校歌が流れたときは「ああ、野球をやっててよかった」と思ったものです。
 ぼくの生まれた壱岐の島は長崎県なのに長崎からの船はなく、博多港から二時間半かかる、というところだったので、高校では当然、合宿所にはいりました。朝六時に起きて、ランニングと柔軟、ウェートトレーニングの早朝練習を終え、井口監督の運転するマイクロバスで学校へ、という毎日。放課後の練習も、投手だからといって、特別な練習はしませんでした。ただ、直球一本で三振をとるには、足腰を鍛えなければならないので、ほかのナインの倍は走りました。
 墨高のナインもよく走っていますね。野球に限らず、どんなスポーツでも、足腰がしっかりしていなければダメですからね。「団体スポーツはいいけん。自分ひとりで苦しんでやる格闘技より、みんなで苦しんで助けあってやるスポーツばやれ。これば人生じゃあ」といって、野球をすすめた親父も、いつも電話で「走っちょるたな」ときくのを忘れませんでしたからね…。
 それから、谷口くんは絶対にあきらめるということもしないし、逃げないでしょ。ぼくも逃げることはイヤだし、真っ向からストレートで押していく投手になりたいと思っています。今は一日も早く試合にでることが目標ですが、谷口くんも早く甲子園にでられるといいですね。でも、きっとでられますよ。それだけの練習はやっているし、根性があるもの――。


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