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わたしは『プレイボール』の大ファンです。かわいい目をした谷口くんをはじめとする墨谷高校ナインの、真剣に野球にとり組む姿をみていると、テニス部でがんばっていた中学・高校時代のことを、なつかしく思いだします。
コーチから「練習で泣いて、試合で笑え!」と、怒鳴られながら、毎日うす暗くなるまで校庭で、ボールを追いかけていたあの頃の様ざまな場面が、谷口くんのひとつひとつの表情や、つぶやきの中によみがえってくるのです。
野球漫画は数多くあるけれど、たいていはスーパースターがいて、ナントカ魔球や超人的才能によって大活躍するのがふつうですね。
でも『プレイボール』は、″弱くても努力すれば″とか″みんなが力を合わせれば″っていう勇気を、わたしたちにあたえてくれ、高校野球の良い面を、とても卒直に描いていると思います。
スポーツをした人たちなら、だれにも経験のある気持ちが、読んでいて随所に感じられ、すごくうれしくなっちゃいます。
決してハデではないけれど、少しずつにじみでてくる、スポーツならではの純真さみないなものがあるんだなァ。単に、勝敗という結果だけを追うんじゃなくて、少年たちのひたむきさや、心の動きが描かれているので、野球のことを詳しく知らないわたしでも、まるで自分のことのように、グングン引きこまれていくのです。
彼らをみていて一番感じるのは、やっぱり″チームワークの大切さ″野球でも、テニスでも、あるいは、今わたしのいる音楽の世界でも、結局チームワークがうまくいってこそ個人の才能が生かされることを痛感しています。
谷口くん、最上級生となってチームをまとめるのはたいへんでしょうけれど、その情熱を捨てないで、最後までがんばってね。