キャプテン

犬と少年

　これは8ページ、45カットのサイレント漫画である。セリフもコマの枠もない。45カットが時の流れを追って描かれている。登場するのは少年と犬が三匹。カットを追って、絵の説明をしよう。少年は、お菓子をほしがって追ってきた子犬（以下、仮名シロ）と大のなかよしになる。食事も、ふとんも、遊ぶのも一緒。ある日少年はシロを連れて買い物に、すると大きな犬が現われる。怖くて泣く少年をおいてシロは逃げる。そんなある日、シロは少年を見つける。喜んでとびつくと、以外にも少年のけりがくる。シロはしょんぼりと去るそれから一年たった雨の日、シロは小学生になった少年を見つけたまた喜んでとびつくと、少年は泣きだし、小さな子犬を庇いながら逃げ去った。激しくなった雨の中、残されたシロは裏町の路地をさ迷う。少年とシロ、それぞれの立場になって考えると、心のアヤが違って感じられる。表情、行動、しぐさが巧みなタッチで描かれている。

掲載誌不明

収録コミックス

発　行　日	作　品　タ　イ　ト　ル	発行社	備考
1994年 9月24日	『ちばあきおのすべて――「キャプテン」から「チャンプ」までの軌跡』	ホーム社	JCS
1995年 5月24日	『ちばあきお名作集　短編集1「モウちゃんは強かった」』	ホーム社	JCS

　今ではなかなかお目にかかれないサイレント漫画、気に入ったのでアニメーションにしてみました。いかがですか？
　なお備考のなかの記号は　JCS：ジャンプ・コミックス・セレクション　の略です。(Oz)

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