この作品は勉強は嫌い、遊び大好きのゴンちゃんと教育ママの言いなりで、遊びを知らない勉強ずくめのデコスケ、この対照的な二人が、学校の帰りに、古い工場の地下室へ行く。そこで「みちくさ」という題名が…。ところが、二人の会話が進んでいくにつれて、助からないかも知れないと思った二人は、お互いに相手の今までの生き方がうらやましくなってくる。今までこれでいいと思っていた生き方(本筋)からはずれた脇道に興味を持ち、そうしたいと思ったのだ。それは、二人の今までの生き方からすれば、みちくさなのだ。人間が生きていく中で、みちくさはムダなものなのか、幅広い生き方をするうえで必要なものなのか。この題名「みちくさ」は、ここでつけられたものなのかも知れない。漱石の『道草』も、立場を変えた眼でみれば、新たな自己の発見があるというところがある。
「別冊少年サンデー」(小学館)1972年(昭和47年)1月号掲載
発 行 日 | 作 品 タ イ ト ル | 発行社 | 備考 |
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1979年 4月15日 | 『半ちゃん』 | 創美社 | JSC |
1984年11月 9日 | ちばあきお傑作集『校舎うらのイレブン』 | 集英社 | JCDX |
1994年 9月24日 | 『ちばあきおのすべて――「キャプテン」から「チャンプ」までの軌跡』 | ホーム社 | JCS |
1995年 6月24日 | 『ちばあきお名作集 短編集2「磯ガラス」』 | ホーム社 | JCS |
2008年 6月30日 | 『校舎うらのイレブン』 | 朝日新聞出版 | 昭和の名作マンガ |