◆1974年 4月30日 キャプテン 第1巻 ◆1974年 6月30日 キャプテン 第2巻 ◆1974年 8月31日 キャプテン 第3巻 ◆1974年10月31日 キャプテン 第4巻 ◆1974年11月30日 キャプテン 第5巻 ◆1975年 1月31日 キャプテン 第6巻 ◆1975年 3月31日 キャプテン 第7巻 ◆1975年 5月31日 キャプテン 第8巻 ◆1975年 7月31日 キャプテン 第9巻 ◆1975年10月31日 キャプテン 第10巻 ◆1976年 1月31日 キャプテン 第11巻 ◆1976年 3月31日 プレイボール 第1巻 ◆1976年 6月30日 キャプテン 第12巻 ◆1976年10月31日 キャプテン 第13巻 ◆1977年 2月28日 キャプテン 第14巻 ◆1977年 5月31日 キャプテン 第15巻 ◆1977年 8月31日 キャプテン 第16巻 ◆1977年11月30日 キャプテン 第17巻 ◆1978年 2月28日 キャプテン 第18巻 ◆1978年 5月31日 キャプテン 第19巻 ◆1978年 8月31日 キャプテン 第20巻 ◆1978年11月30日 キャプテン 第21巻 ◆1979年 ?月??日 第22回小学館漫画賞でのコメント ◆1979年 4月15日 半ちゃん ◆1979年 5月15日 キャプテン 第22巻 ◆1979年 5月15日 プレイボール 第22巻 ◆1979年 8月15日 キャプテン 第23巻 ◆1979年 8月15日 校舎うらのイレブン ◆1979年11月15日 キャプテン 第24巻 ◆1980年 3月15日 キャプテン 第25巻 ◆1980年 6月15日 キャプテン 第26巻 ◆1983年 2月 1日 月刊少年ジャンプ(『キャプテン』TVアニメ化記念緊急連載) ◆1983年 9月15日 ふしぎトーボくん 第2巻 ◆1984年 3月15日 ふしぎトーボくん 第4巻 ◆1984年 9月15日 ふしぎトーボくん 第6巻 ◆19??年 ?月??日 「わたしのすきな漫画の主人公」より
1974年 4月30日キャプテン 第1巻 『キャプテン』は、ぼくにとってはじめての長編です。その『キャプテン』が、はじめてジャンプ・コミックスになって、ふたたび、みなさんに読んでいただけるようになったことを、とてもうれしく思っています。
どんなことにもくじけずに、一生懸命に努力して克服していく人間的魅力で、チームをひっぱっていくキャプテン谷口くんを、みなさんも応援してください。
1974年 6月30日キャプテン 第2巻 ぼくは、漫画家仲間でつくっているホワイターズという野球チームのレギュラーです。ポジションはキャッチャーかセンター。本宮ひろ志さんのチームとの対戦成績は、わずかながらウチが優勢。
机の上では、谷口にみごとなファインプレーをさせてるものの、実際にやってみると、エラーはするし三振はするしで思うようにいきません。それにしても、野球って、おもしろいもんですね。
1974年 8月31日キャプテン 第3巻 ぼくは、野球以外にもいろいろ好きなスポーツがあります。たとえばアクアラングです。エアーボンベをしょって海にもぐると、だれも手をつけていない自然の姿を見ることができます。それは、口ではいえないとても美しい世界です。
時どきグロテスクな姿で泳いでいるウツボにでっくわすことがあります。どうもあれだけは、いつ見ても好きにはなれません。でも、またいきたいなーっと!!
1974年10月31日キャプテン 第4巻 一日の大半を机にかじりついて「ウンウン」アイデアをしぼりだし、ペン入れをしている日が多いぼくにとって、ゴルフは最適なスポーツだと思います。野球やアクアラングやスキーも大好きですが、ぼくには過激すぎて、死にそうな気分になることがあるからです。
でも、月に一回、よくて二回です。せめて週に一回、ゴルフにいけたらなあと思いつつ、今日も机にしがみついています。
1974年11月30日キャプテン 第5巻 ぼくたちのチーム、ホワイターズが結成されて、はや11年になります。その間、特筆すべきことといったら、1試合でホームランを2本打ったこと。というのもぼくがホームランを打ったのは、あとにもさきにも、この2本だけだからです。
あんなにうれしかったことはなかったですね。ホント!! ただ、これはあまりいいたくないんですが、その日は小学校の狭いグラウンドでやったのでした……。
1975年 1月31日キャプテン 第6巻 はじめてスキーをはいた時は、すべった途端に足をネンザ…結局すべらずじまいでした。1週間後に、″今度は″とでかけたものの、ネンザを悪化させ、完全になおるのに半年もかかってしまい、スキーを折ってやろうと思ったくらいです。
それから10年たった今、寒くなると、心はゲレンデに走り、あの時の古いスキーにワックスをぬったりして、はやく雪がふらないかなあ、なんて考えてるんです。
1975年 3月31日キャプテン 第7巻 上の写真は、かれこれ七年前のものです。どう、かっちょいいでしょ! そのころのぼくは、2日ぐらい徹夜したあとでも、ボウリング場へ通ったんです。
今は、ときどき行うちばてつやプロのコンペ(試合)に出場するくらいですが…。この間、そのコンペで、なんと三ゲームトータル615というスコアで優勝しました。すごいでしょ! 一生懸命練習すれば、プロボウラーになれっかもね!?
1975年 5月31日キャプテン 第8巻 またまた、野球の季節がやってきました。春の高校野球の選抜大会がはじまるころになると、ぼくが所属するチームの″ホワイターズ″も、練習やら試合やらでいそがしくなります。
今シーズンの初戦は、某高校定時制のチームとでした。高校生のハツラツとしたプレイに、気分がみなぎりました。
わがチームの初安打を打ったぼく。初打点もあげて、2−0で勝ったぞ!!
1975年 7月31日キャプテン 第9巻 先日、漫画家の運動会があり、昨年、一等を二つもとったぼくは、今年もとはりきってでかけました。四百メートルを含め、なんと八種目も出場してがんばったのですが、結果は二等がやっとという惨敗に終わりました。
ちょっぴりお腹がでてきたわが身を見ながら、来年の運動会のためにも、すこし走りこもうなど、しみじみ考えている今日このごろです。
1975年10月31日キャプテン 第10巻 高校の頃、ボディービルをやったことがあります。近所の友だちとコンクリートをかためたバーベルをつくり、ただひたすらに広告にでているような、逆三角の肉体美を夢見て…。でも三か月ぐらいしか続かず、広告の写真にはおよびもつきませんでした。が、スタミナだけはつきました。それまで海辺でパチャパチャやっていたぼくは、沖にでて″ああ地球は丸い″なんて感激にふけったんですから。
1976年 1月31日キャプテン 第11巻 昨シーズン、ホワイターズでのぼくの通算打率は、一割四分七厘というフガイナイものでした。一試合二打席以上という規定打数にたっすることもできず、残念でたまりません。
不振の原因は、仕事の量がふえたこととか、夏にぼくの長男が生まれたりして、精神的に落ちつけなかったことかな。
今シーズンこそは!! の意気に燃えて、トレーニングに励む今日このごろです。
1976年 3月31日プレイボール 第1巻 この「プレイボール」に登場する、主人公の谷口くんは、すでに「キャプテン」で中学時代をかいています。
舞台を高校に移し、ふたたび谷口くんを世に送りだすことを、ひじょうにうれしく思っています。
一歩、おとなに近づいた高校という場で、谷口くんが、これからどう成長していくか、みなさん、あたたかく見守ってください。
1976年 6月30日キャプテン 第12巻 いよいよ野球のシーズンがやってきました。今年こそはと、試合の数日前からバッティングセンターにかよったりしたのですが、三試合がすんで、いまだノーヒットという惨たんたる成績です。
数日前からの打ちこみも、手にできたマメをつぶしただけで、付け焼き刃にもならなかったようです。野球に限らず、スポーツは、つね日頃の練習が大切だと、しみじみ感じさせられました。
1976年10月31日キャプテン 第13巻 絶好の野球季節になりました。六試合ノーヒットという、惨たんたる成績でスタートした今シーズンですが、バッティングセンターにかよい、素振りするなどして、だんだんあたるようになりました。
最近では、八試合連続安打と絶好調!チームでの信頼もでき、9番から本来の2番にかえりざきました。あとは残り試合をがんばって、なんとか打率を三割台にもっていこうと、奮戦努力しています。
1977年 2月28日キャプテン 第14巻 ぼくたちまんが家が主になって行なう野球大会があります。アーチストリーグといって、今年で三年目を迎えます。八チームが勝ち抜き戦で順位をきそうのですが、わがホワイターズは、春秋優勝という輝かしい成績を収めました。ぼく個人としては、納得のいく成績があげられず残念な思いをしました。が、今年はがんばって、再度春秋優勝を目標とするわがホワイターズに貢献したいと思っています。
1977年 5月31日キャプテン 第15巻 またまた野球のシーズンをむかえ、先日、初戦を行いました。相手が強かったこともあって、9対2と完敗でした。ぼくも含めてウチのチームは、シーズン前にはほとんど練習をしません。おまけにその日はナイターだったため、エラーや三振の続出。あわやノーヒット・ノーランというみじめな思いをするところでした。いくら草野球といっても、シーズン前の練習はおろそかにしてはいけませんね。
1977年 8月31日キャプテン 第16巻 ぼくたち漫画家が主になって行う野球大会で、昨年春秋優勝を果たしましたが、今年の春もまた優勝!! たいへんな偉業だと思っています。というのも、参加11チームの中では、平均年齢38とズバ抜けて高く、一日で四試合というハードなスケジュールだったからです。
ちなみに、ぼくはチーム内で若いほうから三番目、ホームランも打ったし、スクイズも成功させたよ!
1977年11月30日キャプテン 第17巻 先日、後楽園球場を借りることができ、それを機にWB杯というのをつくりました。WB杯なんていうと、ワールド・ベースボール杯みたいでカッチョイイんですが、そうではなく、わがホワイターズ(W)と水島新司さん率いるボッツ(B)のことなんです。結果は11対7で辛うじて勝つことができました。ぼくはセンターを守ったのですが、後楽園球場は球足が速く、背中は広びろとして、さびしいんですよ。
1978年 2月28日キャプテン 第18巻 いよいよ本格的なスキーシーズンを迎えました。昨年のことですが、娘(当時三歳)に雪を見せてやりたくなり、つれていきました。娘は、銀世界に目をみはったものの、すぐあきてしまい、しかたなく背負って、滑ることにしました。背中で大喜びする娘に、よせばいいものを三度、四度と…おかげで足腰はガタガタ。でも、今年は長男(二歳半)もつれていこうなど、バカなことを考えています。
1978年 5月31日キャプテン 第19巻 結成以来16年、ホワイターズに籍をおいてきたぼくですが、友人に誘われて、新しいチームをつくることになりました。新チーム名はヤンチャーズ。長年プレイしてきたホワイターズを抜けるのは心残りなのですが、好きなポジションをくれるという一言に、ついよろめいてしまいました。新チームに移籍にこころよく承諾してくれたホワイターズのナインのためにも、がんばりたいと思っています。
1978年 8月31日キャプテン 第20巻 ぼくはスポーツ以外の趣味にギターがあります。かなり前になりますが、一時期先生について、本格的にクラシックギターを習いました。だから、今でも簡単な曲なら、譜面を見てひくことができます。仕事が終わったときなど、時どきギターをひっぱりだして、ポツンポツンひいていると、仕事の疲れなど忘れてしまいます。ギターに限らず、音楽は心をなごませてくれて、とてもいいものですね。
1978年11月30日キャプテン 第21巻 つい最近、ちばてつやプロダクション対某出版社のボウリング大会が行われました。昔、アベレージ180以上を誇るぼくは、自信をもって挑んだのですが、結果は99、184、111という惨敗に終わりました。ここのところ、野球はダメ、ゴルフはダメ、というぼくなのですが、思うに日頃の鍛錬がおざなりになっているからでは、と考えます。もっとハッスルしなくちゃ、と反省しているこの頃です。
1979年 ?月??日第22回小学館漫画賞を受賞してのコメント 喜びと感謝と このたび、漫画賞を戴く事になり本当に嬉しく思っています。が、反面不安がチラリと脳裏をかすめる事も事実です。まがりなりにも漫画家として生活をするようになって、今だにあっちにヨタヨタ、こっちにヨロヨロ……。壁にぶつかるとオロオロ後ずさりをし、まわりの人達に心配をかけどおしです。
時には、この世界に引き込んだ兄、てつやを憎み、漫画から足を洗おうと決心した事も度々でした。
こんな僕が漫画賞をいただけるのも、ひとえにこれまで温かく見守り励ましてくれた編集者のかたがたや先輩、友人のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。
最後に、僕とコンビを組んでいる弟と、何かにつけて励ましてくれた兄達と、この喜びを分ち合い、これを機に今まで以上にがんばりたいと思っています。
1979年 4月15日半ちゃん 僕が読み切りをポツリポツリ描いていた頃の事ですが、いつも締切りにまにあわず、編集の方を泣かせたものです(ゴメンナサイ)。とくに本文中の「半ちゃん」は″半ちゃん″というタイトルが災いしたのか半年もかかってしまいました。でも今となれば、それも懐かしく、そんな一連の読み切りを再びみなさんに読んでもらえる事を非常に光栄に思います。
1979年 5月15日キャプテン 第22巻 今シーズンのスキーは、がっちりコーチについたおかげで、よほど急斜面以外は、ころびはしても、かかんにすべれるようになりました。コーチの人にきくと、腕前の方は、だいたい二級くらいとのことです。なんとか一級をとがんばったのですが、すでに野球のシーズンにはいり、スキーの一級は来シーズンにもちこし。これからは、野球にがんばりたいと思っています。
長い間『プレイボール』に、心からのご声援や励ましのお便りをありがとうございました。『プレイボール』は、ぼくにとって少年週刊誌では、初めての連載作品で、遅筆のぼくが週刊誌など、とんでもないと幾度もお断りしたのですが、当時の編集長に押し切られたかっこうでスタートしました。ま、内心一度は週刊誌という、ぼくにとってはとてつもない仕事の量をこなしてみたい、という安易な気持ちがなくもなかったのですが……。1979年 5月15日プレイボール 第22巻 またいつの日にか…
最初の構想では、野球物ではなくラクビーやアメリカンフットボールを、と考えていたのですが、ルールとか資料集めに時間がかかりすぎ、連載の予定を大幅に遅れそうなので、その資料が集まるまでのツナギとして、月刊少年ジャンプ連載の『キャプテン』で卒業した谷口クンの高校野球生活を描いたようなわけです。読者のみなさんには失礼かもしれませんが、『プレイボール』は、あくまでツナギだったのであります!それが、いつの間にかツナギがツナギでなくなり、長期連載とあいなったわけです。描いている内に、谷口クンの大学生活、はたまたプロになった谷口クンまで描いてみたいな、などと最初の意図とは異り、構想は大幅にふくらみ、自分でも驚きあきれてしまいました。
連載を初めて、二・三年は必死にがんばりましたが、歳(?)のせいか、大きくなっていく構想とは逆に、心身ともに疲れが出て、ついにダウンすること度たび。まったく読者のみなさまには、申しわけないことをしてしまいました。『プレイボール』も続ぞくとメンバーが揃い、これから晴れの甲子園を舞台に、と思っていたのですが、いかんせんドクターストップがかかってしまい、残念でなりません。心身ともに回復したら、また『続プレイボール』を描きたいなどと思っています。長い間励ましてくださったみなさんに、ここで厚くお礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。
1979年 8月15日キャプテン 第23巻 今年は、スキーに始まりゴルフ、野球そして念願のヨットを始めました。初めてヨットに乗ったのは四月中旬。一見優雅に見えるヨットですが、四月の海は氷のように冷たく、想像以上に激しい肉体労働でした。乗り物酔いをしたことがないぼくですが、船室にはいるやオエーッ……。さすが、これにはまいりました。でも、機会あるごとにヨットに乗りたいと思っています。
1979年 8月15日校舎うらのイレブン 「校舎うらのイレブン」は前回にでた「半ちゃん」より前に描いた作品です。その頃は兄の手伝いをしていたこともあって、なんと一年近くもかかってしまいました。作品を一年近くもいじっていると、面白いんだか、面白くないんだか、自分でもわからなくなってしまい途方にくれたものです。また、本文中の「サブとチビ」はこの一連の読み切りの中で唯一少女ものです。
1979年11月15日キャプテン 第24巻 ぼくが新生チーム『やんちゃあず』に移籍したのは、キャッチャーをやらせてくれるといったからです。打順は三番でも四番でもいいということでした。ところが、いざはいってみると、すごい若手がいて、ぼくのでる幕などないのです。
ぼくは『やんちゃあず』のキャプテンですが、来年は監督におされています。このさい監督になって、その男を追放しちゃおうかナ(ギヒヒ…じょうだん!!)
1980年 3月15日キャプテン 第25巻 昨年の暮れのことになりますが、スキーに行きました。22巻に書きましたが、スキーは2級ぐらいとコーチにいわれ、気もそぞろで行ったのですが、なんと、肝心の雪がないではありませんか……!全然ないのならあきらめますが、ちょこっと雪のあるゲレンデにみんなが殺到し、とてもスキーとはいえない状態で、残念でなりません。今年もう一度、行くチャンスがあるので、その時を楽しみに!
僕の作品には、あまりパーフェクトな人間は登場しません。どちらかというと、少し欠点のあるキャラクターの方が人間味があって好きだからです。(欠点だらけのぼく自身に対する正当化かな?)1980年 6月15日キャプテン 第26巻 人間味あふれるキャプテンたち…
この『キャプテン』に出てくる谷口は、ハニカミ屋で決断力に欠けますし、丸井は義理人情にもろく、すぐ感情に走ります。イガラシはプレイはうまいのだが、クールというか冷たい。近藤は、自己中心的で、子どもっぽい(もっとも、物語が進んでいくうちに、それぞれ成長していきますが)。近藤も十分には描ききっていませんし、また、キャプテンとして描いてみたいキャラクターが頭の中で十分に発酵した時には、この続きを描いてみたいと思っています。
長い間ご愛読ありがとうございました!!
1983年 9月15日ふしぎトーボくん 第2巻 「ふしぎトーボくん」を描きはじめてから、子どもたちがやたらと捨て犬や捨て猫をひろってくるようになりました。今までもたまにはひろってきましたが、最近はとても多いのです。まだヘソの緒のついている子犬を四匹。これをやっとのことで育てあげたと思ったら、またまた生まれたばかりの子犬を五匹。その間に子猫を一匹というあんばいです。もらってくれる人をさがすのがたいへん……。
1984年 3月15日ふしぎトーボくん 第4巻 僕の育った所は、トーボくんの住んでいるような下町でしたが、ほうぼうに小さな池がありました。三角池とかひょうたん池などと、名まえがついていて、それぞれ生息する魚もちがいます。休日には、どの池で何を釣ろうかなどと計画をねり、おべんとうを持って陽が落ちるまで、釣っていたものです。あれから三十年、池のなまえも全部は思い出せませんが、今はどうなっているんでしょうね。
1984年 9月15日ふしぎトーボくん 第6巻 みなさん、長い間ご愛読ありがとうございました。連載を終えても、トーボやクロ、ゴロー、ミッキーなどは、いまだにぼくの心のすみっこに生きつづけているという、数少ないキャラクターたちです。ほかにもまだ、描いてみたい動物たちもたくさんいます。いつの日か、再会させることができたらしあわせです。そのときは、またよろしくね!!
19??年 ?月??日「わたしのすきな漫画の主人公」より ぼくのキャラクターは、どうも、あまりかっこいい人物は、登場していないような気がします。『プレイボール』の谷口は、人一倍の努力家ではあるけれど、また人一倍のはにかみやです。『キャプテン』のイガラシでいえば、野球は人一倍うまいが、また人一倍の短気…というように、みんな、なにかしらの欠点をもっています。
そんなことを考えているうちに、ふと子どものころ読んだ、『鉄腕アトム』や『イガグリくん』などのことを思い出しました。
それらのヒーローたちは、みな正義感にあふれ、しかも強く、夢にまでみたアイドルでした。でも、そんなアイドルたちが悩んだり、失敗したりする場面にぶつかると、きゅうに、ぼくの身近にいる友だちのような親近感をおぼえ、それまで以上に熱中していったものです。
今、考えると、そんな思い出の影響が、ぼくのキャラクターにあらわれているんじゃないでしょうか。(少年ジャンプ第2回愛読者賞特集号中の「わたしのすきな漫画の主人公」より)